お着替えの時に上着を着せようとしたら、突然怒り出して泣いてしまいお着替えどころじゃなくなってしまったなんてことありますよね
「イヤイヤ期だからどうしようもない…」と諦めてませんか?
ちょっと待ってください!
それはもしかするとそれは「いつもと違う」ことが原因かもしれませんよ
僕は現在進行形でイヤイヤ期と戦っている2児(0歳・2歳)のパパです
医療専門職として療育の経験もあります
この記事では、
- 子どもがいつもと違うことを嫌がる理由
- 具体的にどうすればいいか
をそれぞれ分かりやすく解説していきます
- 0~4歳くらいの子どもにとって「いつもと同じ」はとても重要
- 「いつもと同じ」が乱された時に子どもは怒ったり泣いたりする
- 親は子どもの「いつもと同じ」を守った関わりをすることが大切
子どもが嫌がるのは単なるワガママじゃない
大人にとって不都合な子どもの行動を単にワガママと片づけてしまうにはよくありません
その理由を知ろうと歩み寄ることがまずは大切です
子どもが嫌がるのはいつもと違うから
0~3歳頃の記憶の方法は『無意識的記憶』という方法になっています
これはカメラで写真を撮ったように瞬時に映像が記憶として残る素晴らしい能力です
例えば、
- 部屋の模様替えでいつもと違う棚に絵本を並べたら
-
「絵本はそこじゃないでしょ!」と並べてあった絵本を全て棚から放り出して泣き始めた
- 保育園の帰り道にいつもの道が工事していたため違う道を通って帰ろうとしたら
-
「こっちじゃないよ、あっちでしょ!」とその場から動かなくなってしまった
- いつもは子どもを椅子に座らせて歯磨きをやるのに、急いでいたから膝に座らせてやろうとしたら
-
「椅子じゃなきゃダメ!」と怒ってしまい歯磨きが進まない
これらは子どものワガママではなく、いつもと違うことを不快に感じていたから生じた出来事なのです
いつもと違うが嫌な理由は『秩序の敏感期』だから
いつもと違うことを不快に感じること、つまり場所や順番などの秩序が乱れると途端に不機嫌になる時期をモンテッソーリ教育では『秩序の敏感期』と言います
『秩序の敏感期』は、6ヶ月頃から始まり4歳ごろまで続きます
大人からすると「どっちでもいいよ」ということが、子どもからすると「絶対にこうでなくちゃダメなの!」というふうになるのが『秩序の敏感期』です
例えばこんな風に考えてみると子どもの気持ちが分かるはず
- 普段使っている食器が食器棚じゃなくて本棚に並んでる
- トイレに行きたくなった時にトイレじゃなくてお風呂場で用を足すように言われた
- マンション2階の自宅に帰る時、管理人から3階までエレベーターで上がってから階段で2階へ下りるよう言われた
めちゃくちゃ嫌じゃないですか?
『秩序の敏感期』にある子どもたちは大人にとって何でもないことでもこのように感じていると思うと、【いつもと同じ】ことの重要性が分かりますよね
秩序の敏感期の子どもへの接し方
『秩序の敏感期』の子どもの気持ちが分かったところで、実際にどのようなことに注意して子どもと接すればよいのかわかりやすく説明します
どの場面でも共通することは【いつもと同じ】です
親の接し方をいつもと同じに
親の接し方が【いつもと同じ】が子どもたちにとって最も重要なことです
声のかけ方や態度がころころ変われば子どもの気持ちも不安定になります
そうなれば親の気持ちも不安定になってしまい良いことはありません
物や人の場所は大きく変えない[場所]
子どもは大人の数十倍、場所などの秩序に敏感だと知っておきましょう
授乳やオムツ替えもいつもと同じが安心
赤ちゃんは、この授乳とオムツ替えが毎日何回も繰り返されるわけですから、毎回どこで行うのか決めておくだけで安心できます
お母さんは授乳に集中することができ、オムツ替えは親子両方にとってコミュニケーションの大切な時間になるでしょう
- ひじ掛けがあって、ゆったりと座れる居心地の良い椅子
- ハンカチ、タオル、ティッシュペーパー、お母さんの飲み物などが手の届くところにある
- お母さんはスマホやテレビを見ずに、目線は赤ちゃんのお顔に
- オムツ替えをする専用の台を適切な高さで用意できれば腰痛予防になる
- 同じ場所、同じ手順、同じ優しい声掛けでオムツ替えが毎回すすめられることで、赤ちゃんは「ここに来たらオムツを変えてもらえてスッキリ気持ちよくなれるんだ」と認識するようになる
おもちゃ箱に入っているおもちゃがいつもと違う
気がついたらおもちゃ箱からおもちゃが溢れかえっているなんてことありませんか?
おもちゃがたくさんあり過ぎると何を選んでいいか分からなくなってしまい、自己選択の妨げとなってしまいます
良かれと思っておもちゃ箱を整理してもそれに気がついたお子さんは
「〇〇が無くなっちゃったー!」
と怒り泣くわけです
もちろん整理することが悪いわけではありません
子どもの知らないところで黙って片付けてしまうのが良くないのです
ご飯を食べる時にママの席にパパが座っている
家庭の食卓では席が決まっていることが多いと思います
子どもにとってそれが当たり前で安心できる環境になっています
なので、たまたまママの席にパパが座ってしまうとその安心できる環境を乱されたことになってしまい気持ちが不安定になります
子どものやり方を大事にする[順番]
いつもの順番通りでないと先に進ませてくれない子どもはたくさんいます
お着替えやお出かけの準備など自分でできることが増えて、「自分でやりたい」という『運動の敏感期』も相まって思い通りにいかないと不機嫌になることは多いはずです
お着替えの順番はズボンから
お風呂から出て、身体が冷える前にパジャマを着てって思うのが親ですが、子どもはそう簡単にはいきませんよね
「自分でやるの!」
からはじまり
なかなか先に進まないから親が手を出すと
「違うの!ズボンからなの!」
と怒り泣きわめく
子どもの力を伸ばすには本人が納得いくまでやらせることが良いですが、あまりにも先が見えないのであれば
日々のルーティンを勝手に変えない[習慣]
プロアスリートでもルーティンを大切にする方が多くいます
メジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手も毎日必ずルーティンを守って行動することで、同じリズムで試合に望めているとのことです
こうやって聞くと子どものルーティンもすごく大切なことだと感じられますよね
親子の信頼関係を深めるためにも、子どもの習慣をよく観察しておきましょう
急な予定変更がないように注意!
お散歩ルートは初めに緑の道を通って右に曲がる
親としてはお散歩のルートは気分を変えてあげたくて色々な道を通ってあげたくなります
でも子どもたちの考えは真逆です
お散歩といえば、
家を出たら緑の道を通って
赤い看板の所を右に曲がって
窓辺に居る猫を覗いて
公園ですべり台を堪能して…
と決まっています
「いつも同じだから、今日くらいは違う道で」
「急いでいるから近道を通ろう」
といった親の考えは受け入れられません
もし、いつもと違う道を通る必要がある時はこのように工夫してみましょう
- 工事をしていて通れない
-
どうして通れないか分からないから怒ってしまうので、ちゃんと分かりやすく説明をして、工事の様子まで見せてあげると納得してくれます
- そもそも散歩じゃなくて買い物だから道が違う
-
子どもにとって『外に出る=散歩』という認識が強いです
家を出る前に散歩じゃなくて買い物に出ることを伝えて、どこに向かってどの道を通るかまで説明してあげましょう - 急いでいるから近道を
-
不測の事態というものは起こります
しかし、備えることはできます
早めの行動で時間に余裕を持って動きましょう
子どもには急ぐ理由がありません
秩序を武器にして育児を楽にしよう
ここまでの説明を聞くと子どもの『秩序の敏感期』って何だかすごく大変そうだと感じてしまいますね
しかし、この『秩序の敏感期』についてちゃんと理解できていれば、逆にこの秩序を武器にして育児を楽にすることができるのです!
秩序は落ち着きを手に入れられる
ここまで具体例とともに説明してきたこと振り返ってみてください
どの例でも親が子どもの秩序を守ってあげることで子どもたちは安心することができています
その安心感は、子どもの『落ち着いた心』をつくることに繋がります
寝る前の15分間の秩序
特にルーティンワーク(習慣の秩序)は育児の負担を減らす最高の武器です
寝る時間になってもなかなか寝てくれないお子さんに困っていませんか?
寝る前のルーティンワークを武器にして子どもの心を安定させましょう
寝る時間帯を出来る限り一定にします
そして、寝る前のプロセスをいつも同じにすることが大切です
例えば絵本です
いつも絵本を読んでくれるという安心感が生まれる
このルーティンワークが出来上がれば寝る前に何をやろうか悩む必要が無くなります
まとめ
『秩序の敏感期』って親にとってはつらい時期かもしれません
年齢的にイヤイヤ期とかぶるので育児に対するストレスが膨れ上がってしまうかもしれません
ただそれだけなら理解もできるし対応も簡単にできるからそこまでストレスに感じなくてもよくなりますよね
もちろん、どうしようもないことだってあります
でもこうやって、ひとつずつ子どものことを知ろうという気持ちがあればきっと乗り越えられるはずです
- 秩序の敏感期は「いつもと同じ」を大切してあげる時期
- 親の態度、場所、順序、習慣は「いつもと同じ」がいい
- 「いつもと同じ」が子どもの心を落ち着かせてくれる
今回の記事では詳しくお伝えしなかった【イヤイヤ期】や【叱り方】についても記事があります
それでは、
またね。
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